ピープルアナリティクスの動向

以前紹介したビックデータ人事の概念とも関連するが、人事のトレンドに1つに、 ピープルアナリティクスがあげられる。

 

最近リクルートがアメリカの当該領域の会社を買収したことが記憶に新しいが、 ピープルアナリティクスとは、職場の人間に関するデータを収集、分析して、 組織風土や職場環境の改善に繋げ、エンゲージメントの向上やパフォーマンス向上を試みるアプローチである。

例えば、人材系の会社や、IT系の会社ですでに取り組みを始めているところもあり、 退職率の予測モデルの構築や、一定の成果につながっているところもある。

 

一見すると非常にメリットの大きいトレンドに感じるが、当然プロコンがある。

プロについては、上述のようなデータドリブンのアプローチをとることによって、退職率の予測(その結果の事前対策) や、配置転換のレコメンド等を、そこそこ高い精度で行うことができること。

一方、コンの方では、データの取得容易性が企業特性や、導入中のシステムに依存することで、 企業によってはかえって従業員の不信を招くリスク があること等である。

 

特に、アナリティクスに必要なデータをいかにとるか、というところが最大の阻害要因であり 超えるべきハードルになると思っている。

IOTを従業員につけてデータをとる、みたいなことは、しばらくはアレルギー反応が起きる可能性があると 考えている(私見)し、むしろ今今取れている人事データや勤怠データを元に、ボトムアップで 予測モデルを作ってみるのが良いのではないでしょうか。